のぶさん待っててなーー



「おい。はまぁー。また次もなんかたのむで。ほなな。」

  ノブさんはあっさりとだったけど
  その一言は小躍りするほどうれしかったんですよ。
  ノブさんがこないだ、3月に大切な人を囲んで関東でうどん夜話するから。
  と「仕上げたうどん用に箸の袋を自分作ってくれんか」とお願いしてくれた。
  お願いっていうか、、
  いきなり30袋なーっと言われた。
  はい。とか。えっ!? いきなり?とか。言う間もない感じでいわれたが、これがノブさん
  の優しさだ。
   

 うどんを作る事もたべてもらうことも、事柄丸ごとそのもんを
 こんな人見た事ないわーって思う程うれっそーに楽しんでるのぶさん
 だから、ええもん作りたい!!って力みすぎてなかなか思い浮かばんくて
 しばらくどないしょーーってなってましたが、うどんがもうそれだけで
 良いくらいに、
 1目見たときから。
 1口目から。 
 はたまた味わう程にさいこーーにおいしいんやから
 袋の形は普通でいいんだなって感じて落ち着いたら30でけましたよ。
 ノブさんは迷いなく「麦や。麦切ってくれ」っていってた。
 
 麦。。
 初めてこの丘にきた時、裏庭で揺れてた麦の風景が今でも気持ちのどこか
 にある。あの時そっと笑顔で麦を1つかみ手渡してくれた丘の人のまっさらな
 感じと力強い土のにおいにハッとした。
 切る時、荒荒しい乾いた大地の上でもしっかりと根づいた風にゆれたり折れた
 麦が浮かんでくる。土に立つ麦にあこがれとるみたいで、
 自分の中でこの時って言う形が麦になってるような気もする。

 
 だれかを思いうどんをつくるノブさん根っこの優しさはしっかり根付いた麦
 のようにどっしりな感じ。
 4本の麦の人、のぶさん。

 30個つくったもんが
 ひっそりとうどんのよこで、みんなの楽しい1日に沿うものであればいいな。
 
 またなんか頼むで
 と言ってくれたのぶさんに「これ(麦)俺やなー」
 って思ってくれるようなのがいつか1つ切れたらいいな。
 心の中で「ノブさん待っててなー」と勝手につぶやく。
 いつものように「もーーお前うっっさいわぁ」っていわれそうやからね。
                         












 


 


2012年02月02日