昨日珈琲を飲んでいると、小躍りしたように風にふわりふわりとハチが
サイホンの周りを飛んでいた。
ぼんやりみてるとそのまま1度出て行きまたふわふわのんきにサイホンの
前で上。した。うえ。下。。
珈琲のみたかったんかいな??
ほんでぼんやり何故か思い出したんは、ふじ金のことだった。
藤金(ふじかね)先生は小学校3年のときの担任の先生で50代くらいの
おじちゃん先生で、昔からの伝統のように生徒みんなに「ふじきん」(語尾に向かって
上がるイントネーション)とよばれていた。
どの授業も全部ふじ金(ふじきん)に習う。
ふじ金は社会がにがてだったので、授業の内容はいつもNHK教育テレビのボタンが
当然のように押され社会の先生はテレビだった。
社会がある日は、勝手に授業の時間割がまいどまいどテレビの時間に合わせて変更する。
てれびが始まると新聞を床に敷き、「あとはテレビ見てかんそうをノートにまとめと
きんさいね。」と言って即席の新聞敷き布団で昼寝をする自由な具合で私も含め
みんなアホだったのでテレビがみれるーと喜んでいた。
ふじ金の自由な授業は給食の時に発揮された。給食を食べるのが早飯食いのふじ金は
食べ終わると毎日本を朗読してくれた。
お昼の放送はスイッチが切られ、毎日「ハムレット」を小学3年の子供に読み聞かせる。
内容は全くおぼえてないけど1年かけてのんびり毎日読む予定がふじ金の中の
「明日につづく」エェ感じの物語の区切り箇所がなかなかなかったようで異常に早く
読み終わり、皆も好きな本を持って来て順番に本を読みましょうという事に
なり、自分の番になるとおちおち給食をゆっくり食べれなかった。
みんなが本を読むのをやはり新聞を敷いて子守唄にしてふじ金は眠るのであった。
図工では、でっかいカルタを作ってみんなでカルタ大会をしよう!と机をさげ
広くなった床であちゃこちゃみんな転がりそれぞれが担当の文字にあわせた
絵を描く。日直に歩いて3分の駄菓子屋に「みんな分アメ買ってきんさいや」と、
5−6時間目のご褒美にコーラのアメちゃんを買ってもらい食べながら描いた。
体育もふじ金に習う。
水泳の準備体操は、くっしんや足首回すとかはなかった。空に向かって
ひたすら平泳ぎをするのがいつもの準備体操。水の中のイメージなんかな。。
いつものように平泳ぎ体操をみんな笑いながらしていると、足長ハチが1匹飛び回り
みんなが騒ぎ出した。ハチも全く逃げずうろうろ子供の間を飛び回り慌てる生徒。
ふじ金も、もれなく慌てみんなに「水の中に逃げんさいやーー」と言うや
いなやみんなざぶんとプールに入る。
みんなを入れ、プールに入ろうとしたふじ金の背中をハチが刺し、結局水泳はその日中止
になった。
あの日からハチにはそっと穏やかになるべくみまもって慌てないことにした。
ふじ金が教えてくれたこと。